2016年2月23日火曜日

ネット上げ

こんばんは 
2015年3月12日 定植の方法 の続きです

定植 及びお盆過ぎ品種のピンチが終了し
活着した苗が圃場の肥料分を吸い上げ元気に成長するようになってきたら
次の作業 「ネット上げ」をします。

圃場の準備の段階で畝立て・マルチ張りをした直ぐ後に
フラワーネット及び支柱の設置をしていますが
この時のフラワーネットは以下のような役割があります。

・風によりマルチが舞い上げるのを防ぐ
・風によりマルチがバタつき、定植直後の苗にマルチが被さるのを防ぐ
・風によりマルチがバタつき、定植直後の苗が抜けるのを防ぐ
・定植時の苗を差し込む穴を開けるガイド

苗が成長し20㎝くらいになると根も十分に張り、
マルチがバタついたくらいでは抜けることもなくなり、
葉も大きくなっているため、
苗自体がマルチを抑える役目をするようになります。

草丈の伸長に伴い風の影響等で菊の倒伏の恐れが出てくるので、
フラワーネットの本来の目的である茎の曲がり防止のため、
菊を支えるようにネットを適当な高さまで上げていく作業を始めます。


定植時のフラワーネットの位置
支柱は側面に小さい突起が縦に並んだ「イボ竹」と言うもの。
この突起のおかげでネットの高さが保持されます。

風の影響がなければ30㎝くらいの草丈からネット上げを始めても良いかと思いますが、
露地栽培の場合は安全を見て20㎝くらいからネットを上げ始めるのが良いでしょう。

ネットの高さは草丈の80%くらいを目安にすれば良いかと考えます。

頻度としては、成長著しい時は1週間に1回目安。
理想としては農薬散布の前日に行うと、
上から散布した時に通りの中ほどに農薬が回りやすいかと考えます。


出荷時のフラワーネットの位置


注意事項なのですが
ネット上げの初回だけは保護眼鏡をして作業してください。

1回目だけはネットがマルチに着いている所から上げるため、
小さい石などがネットに乗っている場合があり、
上げる時に弓を弾いたようになり石が飛んでくることがあるので、
目を保護するために保護眼鏡を着用し作業をしてください。

茎が曲がるメカニズム
菊の茎は新葉の展開とともに旺盛に伸長していきます。
よって葉が十分に展開した部位では伸長が緩慢となります。
菊の茎の伸長は常に地面に対し垂直に伸長していくため、
茎の下の部分が傾いたとしても新しく伸長していく部分は、
下の傾きとは関係なく垂直に伸長していくため、曲がりが生じてしまいます。

フラワーネットは茎の傾きを抑制し、曲がりを最小限とするために設置します。



2016年1月19日火曜日

防除ローテーション 2016



あけましておめでとうございます
と言ってはみたものの、もう1月も半ばを過ぎてしまいました。

前回の投稿が昨年の3月だったので
10か月も間が空いてしまいました。
その間 何をしていたかは、こちらをどうぞ。

2015312日に投稿した「定職の方法」
の続きを早めに投稿しようと思っていたのですが、まさに
「心を亡くすと書いて“忙しい”」
という日々を過ごしているうちに、あっという間に10か月が過ぎ去ってしまいました。

2016年も始まってしまいましたので防除案を載せたいと思います。

基本ローテーションについては
と基本的に変わっていません。

この基本ローテーションを基に今年の暦に載せた物が こちらです



私が行ってきた防除の実績から、
この計画で防除すれば病害虫による大きな被害は出ないと思います。

 ただし 損害の補償は致しかねますので、防除は自己責任において行ってください。
というのは基本的なことです。

防除における「ここ重要!」という考え方について

防除は病害虫を100%無くすものではなく
病害虫により発生する被害を最小限に抑えるものである。

という事だと考えてください。

農業を経営する皆さん
経営の成否は自分でいかに責任をもって判断・決断するかだと思います。
今年も頑張りましょう!