菊栽培をする上で欠かせない薬剤に成長調整剤と言われるものが有ります。
商品名と使用目的は以下の様なものになります。
エスレル10 : 開花抑制,早期着蕾防止,(脇芽の発芽促進)
ビーナイン顆粒水溶剤(水溶剤80) : 節間伸長抑制,花首の伸長抑制
ジベレリン協和液剤 : 開花促進,草丈伸長促進
ビーエー液剤 : 脇芽の発芽促進
オキシベロン : 挿し穂の発根促進
となります。
この中で、ビーエー液剤は諏訪地方では殆ど使っておらず、エスレルで代用しています。
オキシベロンは諏訪地方では一般に使われていますが、
根出しで困ったことが無いので私は使っていません。
ということで、ここではエスレル,ビーナイン,ジベレリンの使い方に
的を絞って述べたいと思います。
エスレル10
薬剤の効果としては、開花抑制,早期着蕾防止,(脇芽の発芽促進)となります。
この中で主に期待する効果としては、早期に異常着蕾することを防止し、
適期に揃って開花するように着蕾時期をコントロールする、ということになります。
着蕾=花芽分化と言えるかと思いますが、
花芽分化とは成長点に蕾の初期段階が形成されることです。
つまり 花芽分化が始まった時点で、
早期着蕾防止や開花抑制といった効果は期待できなくなります。
よってエスレルの使用時期としては、
花芽分化が始まる前までしか効果が無いということになります。
開花抑制により開花時期をコントロールするには、
狙った適性時期まで花芽分化を起こさないようにする必要があります。
花芽分化が始まった時点から一定量の葉(数十枚)が展開した後、
蕾が形成され開花となります。
花芽分化を起こさないように、
10日~14日以内の間隔でエスレルを散布し、最後散布のタイミングを図ってやれば、
エスレルの効果が切れて後、一定期間で花芽分化、
その後一定期間で開花と推察することができます。
よって エスレルの最終散布日と開花日との関係を集計すれば、
開花時期をコントロールすることができると考えます。
気象条件により開花時期がバラつくとの話もよく聞きますが、
これまでエスレルの最終散布日を意識的にコントロールした中では、
気象条件によるズレというものは殆ど感じられません。
この辺りのデータによる検証も今後する必要があるとは考えています。
エスレル散布のタイミングとすれば、
仮植前: ピンチ後の側枝の芽吹きを良くすることを目的とする。
「ピンチ後に散布すると芽吹きを助長させる」という指導ではあるが、
説明書にある散布間隔10日~14日ということを考えると、
1週間程度の間であれば十分に効果は継続していると考えられる。
仮植してから散布するよりも、プラグトレーに苗が有る間に散布する方が
小さい面積への散布となるため、薬剤の節約になる。
ノーピンの場合: 仮植前の散布から14日以内の間隔で散布し、
盆前までの出荷品種では最終散布が4月15日~4月30日。
定植ピンチの場合: 仮植前及び定植前、以後14日以内の間隔で散布し、
最終散布は6月20日~6月30日。
最終散布時期は、出荷時期や品種により調整します。
散布時の希釈倍率:500倍
ビーナインとジベレリンは次回以降に書きたいと思います。
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