2014年12月26日金曜日

ピンチ作業

11月9日の仮植の続きです。

 菊は先端付近にある成長点から葉が展開し成長してゆき、
この部分が最終的に蕾となり花が咲きます。
 しかし、この成長点を除去すると上方への成長が止まるため、
上方へ伸長しようとするエネルギーが茎と葉の間に出る脇芽へ移行し、
脇芽(側枝)の成長が促進される。
 この成長点を除去する作業がピンチ(摘芯)となる。

 この側枝から採った穂も、伏せ株から採った穂と同様に、挿芽することで増殖ができる。
 また、タイミングによっては摘心した先端部分も挿芽することにより増殖できる。


 ピンチの作業をするときは「芽切り鋏」を使うと便利です。
 先端が比較的細長くできているので、細かい作業ができます。
 使った後は塩素系の漂白剤で洗っておくのがお勧めです、
菊にウイルスやウイロイドが感染している場合に備え、
感染の拡大を抑えるためです。
(ちなみにアルコールでは抑えきれないそうです。)

 以前は「金属の鋏で摘み取るとサビ病が発生する」との指導があったようで、
爪で摘み取っていたようですが、「錆」と「白サビ病」を混同した迷信のようです。

 何れにしろ鋏を使って毎回錆止めをするのも大変なので、
「ステンレスの芽切鋏」を使うのが私のお勧めです。

 芽切鋏は穂を採るときにも使うので、1本は持っておくと便利です。

 このピンチの作業で気をつけなくてはいけないのが、
芯(成長点)を摘んだつもりが詰めていない時。
 成長の過程においては植物内のエネルギーは成長点に集まるようになっていて、
成長点付近の葉が無くなったとしても成長点はからの成長は継続しているので、
しばらくすると葉が取られくびれた形となって、そのまま丈が伸びていくこととなり、
脇芽が伸びてこないという現象が発生します。

 ピンチをどのタイミングで行うかと言うと
増殖の為に母株から採取した穂を挿芽し発根した苗を仮植した後
定植ピンチする作型においては定植した後
仮植ピンチした苗を定植する作型では、定植苗を仮植した後
といったところとなります。
 何れにしろ増殖が目的であることには変わりません。

 私の場合、これまでは挿芽の作業を始めるのが1月下旬からでしたが、
諏訪地方でも早い方では12月くらいから始めて、苗を増殖しています。

2014年12月22日月曜日

株伏せ後 初の防除,防除計画 の作成2

 おはようございます。
 今朝は青空も広がり、所々に雲はあるものの、気持ち良い日差しが届いています。

 12月8日に株伏せが終了した後も、畑の片付けや資材の予約発注等の作業があり、
結局12月18日にやっと1回目の防除をすることが出来ました。
 本来であれば白サビの発生を防ぐために、株伏せが終わった直後に
1回目の防除をしたいところでしたが時間が経ってしまったので、
やや強めの薬剤に変更して行いました。

 株伏せ直後であれば、エムダイファーとジェイエース(オルトランのジェネリック薬剤
:オルトランより色が付き難い)で十分だと思います。
 しかし時間が経ってしまったので、
目に見えなくても白サビが出始めていると可能性を考慮し、
浸透移行性のあるストロビーを追加しました。
 害虫についても、ジェイエースから即効性が高いと思うアルバリンに変更しました。

12月18日 1回目の防除
ストロビー フロアブル,エムダイファー 水和剤,アルバリン 顆粒水溶剤

 その他の仕事として、予約資材の発注期限が12月10日となっており、
この中に農薬の注文もあり在庫を考慮しながら具体的に年間の防除計画を立て、
不足分を発注しました。

 10月29日のブログで防除の基本ローテーションを紹介しましたが、
このローテーションを元に在庫の農薬を考慮して具体的に立てた予定が以下の表です。


 この計画を元に前年までの散布量を考慮し、1年間の計画を立て


薬剤毎の必要量を計算し在庫を差し引いた分を発注すれば、


ロスを最小限に抑えることができると考えます。

 やっていることは 一見面倒くさそうに思えるかもしれませんが、
夏の忙しい時期に前後バランスを考えながら薬剤を決める必要が無いので、
実際にはとても楽になります。

2014年12月17日水曜日

今日は一日 雪

 こんばんは。
 今日は雪の一日でした。

 株を伏せ終わった後、本当は直後に1回目の消毒をする予定だったのですが、
圃場の片付けや来年用の資材の発注等があり、できないでいました。
 「今日こそは消毒するぞ」と思っていたのですが、
朝から雪が舞い気温も低いままでトンネルも開けられず断念。

 仕方ないので家の中の細々としたことをしていると、
昼近くになる頃から雪が大粒に変わり ガンガン積もりだしました。
 あまりに勢いが激しいのでビニールハウスが少し心配になり、
このまま一晩中降ったらとんでもない積雪になり、潰れてしまっては大変だと思い、
夕方4時頃 石油ストーブに灯油を入れ点火してきました。


 ハウス内の温度が少しでも上がって屋根の雪が滑り落ちれば、
潰れるのを防げるからです。
 夕方4時頃のハウスの雪はこんな感じでした。

ストーブを付けに行った15分程で車のフロントガラスに雪が積もり、前が見えなくなります。


 暗くなった6時頃には雪も止み、ホット ひと安心。

 でも明日も天気は怪しそうな予報が出ています。

2014年12月10日水曜日

定植圃場の片付け終了

 こんばんは。
 昨日と今日の作業で定植圃場の片付けが全て終了しました。

 いつもの作業の流れですと株掘りの後は、
畝を均すようにロータリー掛け、
藁や堆肥などの有機質の散布、
土壌消毒剤(バスアミド)の散布、
ロータリー掛け
と言った作業をします。

 しかし今年は作業が2~3週間も遅れており
明日からは雨や雪の予報が続いているので、
今日までが最後のチャンスということで工程をかなり端折って、
バスアミドの散布とロータリー掛けを何とか終わらせました。

 12月8日で株伏せ終了 の報告をしたのですが、
実は昨日「深志の匠」の株を少しだけ掘って来ました。
 保険という程でもないのですが、
彼岸過ぎの最後の品種としてテストしてみようかと考え、
若干計画変更です。

2014年12月8日月曜日

株伏せ4種類目が完了

こんにちは。
 昨日で4種類目の松風の陽の株伏せが終わりました。
 というか終わりにしました。
 予定の88%ほどですが、なんとかなるでしょう。

 6日に降った雪が畑にまだ残っており、
菊の株を掘ろうと思えば掘れないことはないかもしれないのですが、
寒くなってきており 11日からは雨や雪の予報が出ており、
1回はトラクターで耕しておかないといけないので、
株伏せの作業は終了としました。



八ヶ岳も6日の雪で真っ白になっています。


2014年12月6日土曜日

決算説明会

 おはようございます。
 このところ本当に1~2日置きに降ったり晴れたりが続いています。
 一昨日の朝は今シーズン初の積雪となりました。

 昨日は時々雪が舞ったりしていましたが、
太陽が顔を出していたのでハウスの中は20℃近くまで温度が上がり、
菊の株を揃えることが出来ました。
 しかし、一昨日は 朝起きたら雪が5cmほど積もっており、
一日中雪が舞う寒い天気でした。
 ハウスの中も2~3℃ くらいまでしか温度が上がらず、
剪定鋏を使っての株揃えをしようにも、
手がかじかんで仕事が出来る状況ではありませんでした。

 そんな寒い中で一昨日やった事は、朝一番でのタイヤ交換、
午後は確定申告の決算書作成の説明会 でした。

 農業を個人で経営している場合、自分で確定申告をして、所得税を納めることとなります。
 確定申告は1月1日~12月31日の1年間の収支等を計算し、
翌年の2月15日~3月15日頃に申告することとなります。
(平成26年分の申告は平成27年2月16日~平成27年3月16日です)
 農業の場合は青色申告という方法で申告することができ、
特別控除と専従者給与とが主な特典となります。
 そして、この申告をするときに収入・経費 等の損益計算をした書類を添付するのですが、
これが決算書となります。
 決算書の書き方や注意点などの説明会を、
毎年この時期に農協で用意してくれているので、出席してきました。
 税務署の職員の方が進行し税理士の方が説明するといった形で、
内容的には概ねいつも通りなのですが、1年もたつと結構忘れていることが多いので、
記憶を呼び起こすためにも毎年出席しています。

 このところ寒い日が続いていますが、11月の16日までに株伏せをした日輪の芽が、
土を持ち上げ 伸びてきました。

2014年12月1日月曜日

ヤマカワプログラム実行

 ついに12月に突入してしまいました。
 なんとか11月中に菊の株伏せを終了させようと思っていたのですが、
なかなか思うように行かないものです。

 ここのところ1~2日置きに降ったり晴れたりが続いていました。
 現在お借りしているビニールハウスが建っているところは、
圃場整備した田んぼで水はけがかなり悪い条件のところで、
雨が降ると周りから水が染み込んできます。

 昨年も冬の間お借りしていたのですが、
例の大雪の後 解け出した水が染みこんできた時は、
ロータリーをかけようとするとトラクターが傾いてしまうほど ぬかるんでしまいました。

 11月25日・26日の雨でハウスの真ん中まで染みこみ、
歩くとフワフワした状態となっています。
手前と奥の土の色の違いが判るでしょうか。

 そこで、この状態を改善すべくヤマカワプログラムを実行することとしました。

 ヤマカワプログラムを大まかに言うと、
耕盤の土を煮出したスープ・光合成細菌・酵母菌液
の三種類の液体を水で希釈し畑に散布すると、
耕盤が抜け 水はけが良くなるというものです。
 詳細は現代農業などに取り上げられているので、
興味のある方は調べてください。

 以前に水はけの悪い畑(元は田んぼ)で行ってみたところ、
梅雨時の大雨でも ぬかるむことが無くなりました。

 今回はハウスの中の水分が多いところと、
ビニールハウスの周辺に散布してみました。
 順調に行けば1周間~1ヶ月以内には何かしら兆候が見えるはずです。